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船橋,コアラ,ユーカリ
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低濃度放射線被ばくに対する防御

放射線障害とは

 放射線が体内の水に当たると連鎖的にフリーラジカルと呼ばれる不対電子を持った分子が発生します。フリーラジカルは生体の分子を酸化し、細胞や遺伝子を損傷します。これが放射線障害です。

 生体はSODやカタラーゼという酵素でフリーラジカルを消去し、DNAを修復する機能を持っています。

 さらにビタミンCを始めとする抗酸化栄養素の摂取でフリーラジカルが強力に消去されることが多くの研究者により明らかにされています

ビタミンCの有効性

論文1

 日本放射線影響学会の英文雑誌に「アスコルビン酸(ビタミンC)の前投与はマウスの大量放射線暴露による致命的な胃腸症候群を防御する」という論文が発表されました。

 マウスに12Gy(グレイ)の放射線を体外照射しても骨髄移植治療により回復します。しかし、14Gyの放射線を照射すると、胃腸の粘膜が剥がれ落ちる致命的な胃腸症候群を起こし、骨髄移植をしても2週間で全例が死亡してしまいました。

 そこで、マウスに体重あたり150 mg/kgのビタミンCを経口で3日間与えてから放射線を照射したところ、2週間後で60%が生存、24日目で42%生存し、それ以後60日迄の観察期間の中で死亡したマウスはいませんでした。研究者らはビタミンCがフリーラジカルの生成を抑えることによりDNAの障害を防ぎ、急性放射線被ばくによる胃腸粘膜障害を防げたと考察しています。

論文2

 放射性ヨウ素131をマウスに注射し、内部被ばくによる精子の生存率を調べる研究が行われました。精子は非常に早い速度で細胞分裂をするので、放射線障害を受けやすいとされています。

 ビタミンCをあらかじめ注射または食事として与えると、精子が37%に減少するのに必要な放射線量は2.2倍となり、ビタミンC投与が体内被ばくを強く抑制することが明らかになりました。ここでマウスに注射したビタミンCの量は体重70キロの人間なら3.5gに相当、口から摂取する場合は1回10gに相当します。

論文3

 人間から採血して分離した白血球に放射線を浴びせる研究をしました。被験者に朝食と一緒にビタミンCを35 mg/kg(体重60キロの人で2.1グラム)を服用、1時間後に採血して白血球を分離しました。

 分離した白血球に放射線を浴びせ、細胞核に生じたDNA鎖切断をコメットアッセイで測定したところ、ビタミンCを服用していない時よりも著しく減少し、その効果はビタミンC服用後4時間が最大でした。

アルファリポ酸の有用性

 アルファリポ酸は体内にある補酵素で、強力な抗酸化物質です。アルファリポ酸をマウスに投与し、X線照射の影響を調べました。その結果、アルファリポ酸がX線照射による酸化物質の生成を抑制し、臓器を放射線障害から保護すると発表されています。

 チェルノブイリ原発事故でも汚染地区に住んでいた子供にアルファリポ酸1日200〜400mgの経口投与が行われ、白血球機能の正常化、脂質の過酸化、腎臓と肝臓機能の改善が報告されています。さらに、アルファリポ酸とビタミンEを同時に投与することで単独投与以上の効果があります。また、ベータカロチンもチェルノブイリ原発事故で同様の効果が報告されています。

その他

 その他、セレン、ビタミンB3、N−アセチルシステイン、コエンザイムQ10も細胞を放射線障害から保護するという科学論文が出ています。単独の抗酸化サプリメントだけでなく、複数の種類を摂取することで抗酸化予備能力をより高めます

推奨サプリメント

(1) 妊娠可能な女性(体重50kg)が自然界より2倍以上高い放射線量の環境で住む場合

①ビタミンC  1回 1-2g1日3-4回
 またはリポゾーマル・ビタミンC(2) 1回1g1日2回
②アルファリポ酸1回100-200 mg1日2回
③セレン    1回50-100μg1日2回
など
一度に全てを揃えることが難しい場合には、ビタミンCから開始することを勧めます。

(2) 体重50〜70kgの人が自然界より5倍以上高い放射線量の環境で住む場合

①ビタミンC  1回2〜3g1日3〜4回
 またはリポゾーマル・ビタミンC(2)1回1g1日2回
②アルファリポ酸1回300 mg1日2回
③セレン    1回200μg1日2回
など

(3) サプリメント摂取前に抗酸化予備能を最大にしたい場合は“高濃度ビタミンC点滴療法”を行う。

  蒸留水250ml(またはラクテック500ml)
  静注用ビタミンC製剤   25g
  補正用硫酸マグネシウム5ml
  などを60分で投与する。

参照元 点滴療法研究会 放射線被ばくに関する公式声明

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